両建ての手法は、FXトレーダーがよく使う手法の1つとして知られています。しかしながら、初心者トレーダーの中には「実際には何をするものかよくわからない」「聞いたことはあるけれど、具体的にどんなことをやるのか?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、FX初心者の方に向けて「両建ての仕組み」を解説するとともに、FXにおける両建てで勝つための必勝法について見ていきます。これから自分のトレードに両建てを取り入れたいと考えているトレーダーはぜひ参考にしてみてください!
目次
FXにおける両建てとは何か?
ではまず、両建てについて解説していきましょう。
FXにおける両建てとは、買い(ロング)ポジションと売り(ショート)ポジションの両方保有すること。両建ての最大の特徴は、レートがどのように変化しても、片方のポジションの損失をもう一方の利益でカバーできる点にあります。
とはいえ「両建て=万能な手法」というわけではなく、損失が出てしまう場合も当然ながらあります。こうした理由から、あまり両建てに慣れていないトレーダーは「使いどころが難しい」と思ってしまうケースが多いようです。確かに、両建てでは「何の工夫もせずに手法を採用しただけ」ではほとんど効果がありません。両建てで勝つためには、他の作戦と組み合わせて必勝法と言える戦略を立てることが重要になってきます。
FXにおける両建ての必勝法
FXにおける両建ての概念が分かったところで、ここからはFXにおける「両建ての必勝法」をご紹介していきます。
今回取り上げる必勝法は、
- スワップポイントさや取り
- 両建てナンピン
の2つになります。
それぞれ詳しく解説します。
スワップポイントさや取り
まず1つ目は、スワップポイントさや取りの手法です。
両建てをすると、ロングポジションのスワップポイント+ショートポジションのスワップポイントはマイナスになります。その場合、ポジションを持っているだけで損失が発生し続けてしまう可能性が高くなってしまいます。しかし、稀に両方のポジションのスワップポイント合計がプラスになるケースが生じるのです。その際には、ポジションを持っているだけで利益が発生し続けます。このように利益を出すことが「スワップポイントさや取り」の手法です。
スワップポイントのさや取りでカギを握るのは、「ロングポジションのスワップポイント」と「ショートポジションのスワップポイント」が両方プラスとなる通貨を探すことにあります。初心者ではなかなか見つけるのが難しいかもしれませんが、スワップポイントでコツコツと利益を出していきたいなら、十分に研究する価値はあります。
ちなみに、この必勝法は手順通りにやらないと利益が出ませんので、その手法を下記に公開します。
- スワップポイントさや取りが可能な通貨ペアを探す
- 同じ価格および同じ量で両建てを行う
- スワップポイントを稼ぎ続ける
- スワップポイントを確認し、決済する
2番のところで両建てを行えば、いつ決済してもプラスマイナスゼロになる状態を作り出すことが可能です。それによって、トレードのリスクを大幅に下げることができます。
また4番のところでは、スワップポイントの定期的なチェックが必要です(毎回スワップポイントは変化するため)。決済のタイミングは、「スプレッドが狭い時」または「スワップポイントがマイナスになった時」ですので、見逃さないようにしておきましょう。
初心者トレーダーでも比較的取り組みやすいスワップポイントさや取りの手法。しかし、この方法にはデメリットもありますので、一つずつチェックしていきましょう。
大きな利益が期待できない
当然ながら、レバレッジをかければスワップポイントも上がっていくことになります。そうすれば多少の利益を出すことが出来ますが、スワップポイント自体が微々たるものなので、これだけで大儲けするのはかなり厳しいと言わざるを得ません。
普通に取引したほうが稼げる可能性が高い
「両建てを使ったトレードにチャレンジしてみたい」「両建てをマスターするためにあえてこの手法にこだわる」といった目的を持って両建てを行っている場合は良いのですが、FXで稼ぐことを主眼に置くのであれば、初心者トレーダーのうちは普通にFXトレードするほうが稼げる可能性が高いです。トレードスタイルに応じて選ぶべき手法は異なりますので、まずは自分がどのようなスタイルを採用するのか、方針をしっかり決めてから手法を選ぶことをお勧めします。
両建てナンピン
2つ目の必勝法は両建てナンピンという手法です。
こちらの方法は手順が複雑なので、まずは具体的な例を確認していきましょう。
- 100円でロングポジションを持つ
- 99円に下がったところで「99円のショートポジション」を持つ
- 2と同時に「99円のロングポジション」を持つ
- 98円に下がったところで、「98円のショートポジション」と「98円のロングポジション」を持つ
- 97円に下がったところで、「97円のショートポジション」と「97円のロングポジション」を持つ
- z円に下がったところで「z円のショートポジション」と「z円のロングポジション」を持つ
2番のところから、実際の両建てになります。ここで両建てを行うことで、レートが下がっても損をせずに済みます。このケースでは、1番目の100円のロングポジションだけは相殺されませんが、待っていれば「トータルでプラスになるタイミング」が来ますので、そこで決済すれば利益を出せる可能性が高いです。
とはいえ、必ず利益を出せる絶対的な手法というわけではなく、こちらの手法もデメリットがあります。デメリットを理解したうえで、自分のトレードに採用するかどうかを決めるようにしましょう。
手順が多い
もちろんケースにもよるのですが、基本的に両建てナンピン手法では同時に大量のポジションを持つことが多くなります。ポジションを複数持つことによってトレードがかなりややこしくなり、ミスをしてしまうリスクが上がってしまうため、初心者トレーダーにはあまり向いていない手法と言えるかもしれません。
レンジ相場でないと厳しい
この手法の前提には、「レンジ相場でないと結果を出すのが難しい」という点があります。相場が一方的に下がり(上がり)続けると、最初に取ったポジションがロスカットされやすくなります。そのため、レンジ相場(細かな上下が連続する相場)でないと両建てナンピン手法は使えないと考えたほうが良いでしょう。
まとめ:FXの両建て必勝法で現実的に使えるのは「スワップポイントさや取り」
今回は、FXの両建ての仕組みを解説するとともに、両建て必勝法を2種類紹介しました。
紹介した2つの手法のうち、初心者トレーダーでも比較的簡単に取り入れやすく、利益を出しやすいのは「スワップポイントさや取り」となります。大金を稼ぐのは難しいかもしれませんが、コツコツと積み上げていけば確実に利益につなげることが可能です。とはいえ、トレードスタイルもトレード手法も、人によってさまざまなものがあります。そのため、情報に振り回されることなく、自分に合ったトレードスタイルを貫くのが需要です。そのうえで、必要に応じて両建ての手法も取り入れるようにしましょう。